『おとうとのたまご』◆あの美しいひとが抱いている卵から生まれるものはなんなんだろう。隣家に通う『私』は卵から薄緑色の蛇が生まれるのを見た。兄とすれ違って折れた膝丸が卵から生まれ直して、髭切が改めて弟への思慕を実感するお話です。少しだけ審神者視点があります。
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『かむなびの』◆『ふた振りめ』はなにゆえに励起するのだろうか。髭切は己がふた振りめであると知る。膝丸が見ているのは自分ではない、ひと振りめの『兄者』だ。そんな膝丸への感情を抑えられず髭切は己の情動に身を委ねる。『あかねさす』『むらさきの』に続くシリーズ完結です。
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『Your Song』◆おまえの目は、きれいだね。演練場のシャワールームで起こる、あーんなことやこーんなこと(意味深)。兄の気まぐれだと感じながらも、その意図を思って膝丸の心は揺れる──なにも考えずに読むお話です。
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『【転送】【エラー】「捜してる」「みつからない」【消滅】【?】』◆刀剣男士だった日々を終え、ある世界に人間として転生した膝丸は三年前に髭切と再会した。膝丸のものであり誰のものでもある兄を独占するために――すことを決意した膝丸。しかし迷い込んだ『あの世界』で髭切の真意を知る。
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『うつくしい悲劇』◆髭切の体は、生きながらにして腐っていく。それをきっかけに彼に兄弟以上の情を抱いていると気がついた膝丸。なぜ髭切はそのような病に罹ったのか、救われる術はあるのか。18Gです。腐敗表現が克明に記されます、刀剣破壊があります。
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『ゆりかごのゆめ』◆かなしき兄弟のたましいに寄せて──。双騎出陣2020をモチーフに、詠んだ短歌を52首収録しました。髭切と膝丸が演じた兄弟、その父、母、そして演じた彼ら視点、とさまざまに詠みました。
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『盲の光』◆膝丸が顕現した本丸は、どこかおかしかった。兄であるはずの髭切は、膝丸にどこかよそよそしい。皆が隠している本丸の秘密──膝丸は「ひと振りめ」である『膝丸』の存在を知る。目が見えず、知能は子供くらい。戦えない刀剣男士が、なぜ本丸にいるのだろうか──。
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『むらさきの』◆髭切とともに過ごす生活の中、しかし膝丸は満たされない。髭切を「弟」と呼ぶ小烏丸、そして膝丸を守ろうと、もしくは陥れようと集まる緑の蛇。膝丸は、後戻りのできない賭けに己のすべてをなげうった。(『あかねさす』の続き、『かむなびの』に続きます)
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『あかねさす』◆願いなんて、叶うことはない。知っていたはずなのに──膝丸の前に現れた「兄」は、幸せをくれた。刀剣男士として再会した兄を独占するために、膝丸はすべてを投げ出す決意をした。(『むらさきの』『かむなびの』に続きます)
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『今でもあなたはわたしの光』◆待ち焦がれ、再会した兄は膝丸の名を呼ばない──微笑まない。刀剣男士たる弟の心は、体は兄に執着し、しかし兄はいかなる心を抱くのか。ある仲間の破壊がその露呈のきっかけだった。
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『駆け落ち者』◆──あらゆる螺旋を巡り巡って、いつでもあなたに逢いにいく──刀の付喪神として、刀剣男士として、そして人間として。さまざまな世界をめぐる螺旋の中で、ふた振りはお互いの心を知っていく。
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『世界がきみを奪おうとする 』 ◆顕現した兄が求めているものは、なんなのか。その目の奥に潜んでいるものは、なんなのか。知りたくて、しかし知るのは怖い──そんな膝丸は、いつしか髭切の瞳に隠れているものに惹かれ始める。
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